Cogito orego sum2017/10/29

台風が来たので家で『キングコング・髑髏島の巨神』を観た

中学1年生のとき、毎日いっしょに下校するメンバーがいた。

 

メンバーは毎回5人。

 

その中に今回の主役である友人がいた。
本人にとってはあまり名誉なことではないかもしれないので、あえて本名は伏せ「こばやん」というあまり伏せる意味のないあだ名で表記しようと思う。

 

こばやんは引っ込み思案で大人しそうな見た目のモヤシっ子だが、ご実家がバブル期直前の建設会社で大き目に区画整理された地域で3区画分のお家にお住いのボンボンという、経済的には怪物レベルのステータスをお持ちで、金にモノを言わせた情報収集力や見たこともないガジェットにはいつも度肝を抜かれていた。

とはいえみんなまだ中1、つい半年前まではランドセルを背負い、丸めた赤白帽をぶつけ合って遊ぶような、宇宙人ですら「あ、子どもだ」と判別つくような幼さだったため、貧富の差を感じることなく毎日の帰路でキャッキャと戯れていた。

 

そして中身もまだまだ子どもなオレ達は、帰ったところでテレビを見る以外の選択肢が思いつかないので普通の帰り道では飽き足らず、毎日ちょっと外れた「山道」を通って帰っていた。

 

まぁ、山道といっても新興住宅街の間にある人気の無いただの林道なのだが、子どもにとってはアドベンチャーだ。

 

そんな林道を下校していたある日、

 

林道の途中に幅が1mくらいある広い側溝があり、たまたま誰かが尿意をもよおしたので

 

「おれ、おしっこ」

と言って、側溝におしっこをし始めた。

 

あくびとおしっこは2ちゃんねる同様つられてなんぼというルールに従い、次々と

「おれも…」

「おれも…」

と、並んでおしっこをすることになる。

 

当時、オレたちのちんぽこは宇宙人が見ても「あ、子どもだ」と分かるレベル。メンバー全員そのチンポコACT1にまったく違和感を感じていなかった。

 

 

そう…唯一こばやんの黒さとデカさを除いては。

 

 

やさしく包む夕陽の中に心地良い風が吹き抜ける初夏の夕暮れ、モジャモジャのチン毛から突如ボッロ~ンッと姿を見せたこばやんのちんぽこはまさに圧巻だった。
さらに付け加えると、その大人顔負けの堂々たるサイズ感でありながらまったく剥けていない先っちょまでびろんびろんに伸びきったちんぽこの皮がまた何とも言えない違和感を醸し出していたのだと思う。

 

ひと口サイズの生八つ橋みたいなちんぽこが並ぶ中、矮小な小動物には目もくれず当たり前のようにドバドバと液体を吐き出している、そんな神々しくも禍々しい光景が普段はちょっと舌足らずなせいか口数も少ない華奢なこばやんの股間におどろおどろしく描かれていた。

 

もちろんその間、こばやんを除く全員が完璧な敗北を感じていた。なにしろこばやんは見た目こそ華奢で大人しいが財力とちんぽこは超ド級の怪物だったのだ。この羊の皮とちんぽこの皮を被ったモンスターに改めて心からひれ伏した瞬間だ。

 

じょぼじょぼじょぼじょぼ

 

全員がじょぼじょぼと黄金の水を吐き出すこばやんのバカでかいちんぽこを固唾を飲みながらただただ無言で凝視していた、しかしその巨大生命体について触れることは心の中の精霊がやめておけと囁いている。

 

その日はこばやん以外のメンバーがおどおどと目を合わせるだけで、まるで何事も無かったかのようにこばやんのちんぽことのファーストコンタクトを終えた。

 

そしてまた次の日から同じように同じメンバーで林道を帰ることとなるのだが、

それ以降、なぜか毎日その側溝に来るとまるでパブロフの犬の様に全員が当たり前みたいな顔でおしっこをする…そしてチラチラと神の様子を伺う…というのが、ほぼ定例行事となっていた。

そんな毎日が続いたある日、いつものようにみんなが並んでおしっこをしてるときに誰かが思わず

 

「こばやんのちんちん黒いな」と言った。

 

唐突ではあったが、まぁすっかり仲もよかったし「ぼちぼち言い時」だと踏んだのだろう。禁忌を犯すタイミングというのは案外そうやって唐突に訪れるものだ。

 

そしてもちろん、こばやんもバカじゃないんだからいい加減まわりの股間にぶら下がってる豆鉄砲と自分の200mmバルカン砲の違いくらいは分かってただろう。
なので
「うん。」と堂々としたもんだった。

おとなしいこばやんが躊躇なく「うん」と言ったことにより、これからこばやんのちんぽこについて語ることを許されるという免罪符が降りた…と全員が思った。

 

それ以来、今まで横並びだったおしっこのフォーメーションが、側溝を挟んで「こばやん」対「その他のメンバー」で向き合い、まるでこばやんを皆で崇めるような形となり

 

「くろいなー」
「くろいなー」
「こばやんは白いのになー」

 

と、こばやんのくろいちんぽこを褒めちぎっておしっこするのが通例となった。

 

さらに、しばらくしてからはさらに踏み込んで

 

「そんでデカいよな」
「でかいなー」
「こばやんはちっこいのになー」

 

を付け加えるのも一連の流れとなっていた。

 

 

大人になってオレもどうにか半人前だが大人ちんぽこ(仮)←になり、さらにそれがとても小回りが効く省エネコンパクトタイプで、ようやくエコな時代がオレに追いついたから言えるのだが、
あの黒くてデカいのにがっつり被った猛々しいちんぽこからジョボジョボおしっこが出る光景は、今思い出しても鮮烈な体験だったなと思う。現代であれば全員がこばやんのちんぽこに向けてスマホをかざし、いずれネットで著名なエロ画像の仲間入りでもしていたかと思うと、こばやん早く産まれてよかったねとしか言いようが無い。

 

しかし、そんなこばやんとは中2からクラスも離れ、オレも自分のちんぽこに忙しくなる時期だったので、次にこばやんに会ったのは成人式の会場だった。

 

時は流れ時代はまだまだバブルの絶頂期、目の前に現れたこばやんは見るからに高額そうなスーツに包まれていたが、中学の頃と変わらずほっそりして華奢なままで、オレも思わず

「おー!こばやん!」と親しげに手を挙げたが、心の中では高額そうなスーツの奥にあの黒い巨神が今も眠っているのかと思うと、あの頃同様に心中では敬意と畏怖の念を抱きながらひれ伏していたのであった。

 

 

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